何年間も行きたいなあと思い続けて、なかなか行けなかった瀬戸内国際芸術祭についに行ってきました。瀬戸内国際芸術祭はメインは直島や豊島なのですが、日程の関係などで小豆島になりました。直島や豊島はまたいつか行こうということで・・・行けるかなあ?
- 受付~乗船
- 作品No. sd07 ジャコモ・ザガネッリ『フルイーレ』
- 昼食
- 作品No. sd08 ワン・ウェンチー(王文志)『小豆島の恋』
- 作品No. sd20 シャン・ヤン『辿り着く向こう岸ーシャン・ヤンの航海企画展』
- 作品No. sd21 中山英之建築設計事務所『石の島の石』
- 作品No. sd34-B 福武ハウス「アジア・アート・プラットフォーム」「アジアギャラリー」
- 作品No. sd35 西沢立衛『葺田パヴィリオン』
- 作品No. sd36 リン・シュンロン(林舜龍) 『国境を越えて・波』
- 作品No. sd01 チェ・ジョンファ(崔正化)『太陽の贈り物』
- 作品No. sd02 コシノジュンコ『アートノショーターミナル』
- 作品No. sd03 キム・キョンミン『再び ・・・』
- 作品No. tk01 大巻伸嗣『Liminal Air -core-』
- まとめ
瀬戸内国際芸術祭は島で行われるので、他の芸術祭と違い電車は走ってない、バスはものすごく少ない、レンタカーやレンタサイクルはすごく少ないと、とってもまわるのが大変です。バスがいっぱいで乗りそびれたときなどは、最後は自分の足で歩くという覚悟がないと無理そうでした。そのため今回はオフィシャルツアーに参加することにしました。いままで他の芸術祭にはいくつか遊びに行っていますが、オフィシャルツアーに参加するのは初めてです。小豆島へのフェリー代、小豆島内でのバス代、昼食代、バス内でのガイド、保険が含まれます。9,800円でした。(パスポート代は別)
受付~乗船
まず、高松港旅客ターミナルビルに朝9時半までに集合です。高松駅のすぐ近くで分かりやすいですね。
近くのコインロッカーに荷物を預けて、受付をしました。注文していた前売りパスポートとリストバンドを受け取ります。ロックフェスのようなリストバンドを腕に付けてもらいます。記念品のトートバックとピンバッジがもらえます。
非売品でBEAMSとのコラボのようです。しっかりしていいトートバッグなのですが、荷物を預ける前に欲しかった。これから行かれる方は受付してから荷物を預けてくださいね。
他の芸術祭と同じくパスポートにスタンプを押してまわる形になっています。ツアー申込時に前売り料金で買いました。
オフィシャルツアーの参加者で集まって、フェリーに乗ります。ガイドさん一人とバス会社の添乗員の方が一人いらっしゃいます。参加者は20名程度×2組でした。年配の方が多かったです。関東の方が多いそうですが、一部地元の方もいらっしゃいました。
フェリーはものすごく大きいです。満員で椅子に座れない人もたくさんいました。オフィシャルツアー参加組は前もって並んでから乗るので、みなさん座れます。フェリーの中に売店まであるんですね、びっくりです。フェリーの中では自由行動です。1時間ぐらい乗ります。
(行きのフェリーの外観の写真がないので、帰りの小豆島での写真です)
小豆島の土庄港に着きました。フェリーから降りたところで集合してバスに乗ります。バスはマイクロバスでしょうか、小さくて狭いです。補助席も全部座って満員です。補助席の人も当然同じ値段なので、ちょっと不公平感がありますね。とはいえ普通の席も狭いです。道が狭いので小さいバスでないと通れないらしいです。
バスの中ではガイドさんが、通行中の集落の暮らしや文化などの説明や、次に見る作品の説明をしてくださいます。地図をかかげて現在地がこのあたりというのも教えてくれますが、後ろのほうの席に座ったので、なかなか見えませんでした。バスでの移動はそれぞれ10~30分くらいです。山道も通るので酔いやすい人は準備をしておいたほうが安心です。最初の作品に着きました。
作品No. sd07 ジャコモ・ザガネッリ『フルイーレ』
廃校のプールを花で飾って、憩いの場を作ったという作品です。大地の芸術祭と同じく廃校が舞台になるんですね。
バスに乗って移動し、次はお昼です。
昼食
公民館の中の座敷で「こまめ食堂」のお弁当をもらって食べました。長机の座卓に相席です。オフィシャルツアーの案内には景色が最高なお食事処で創作郷土料理と書いてあったので、ちょっとがっかりしました。日程や人数でこのようになるんですね。
おからやおひたしなど、地元のお母さんたちが作ってくれているんでしょうか、お味はおいしかったです。まあ、贅沢は言ってられません。
昼食場所の前に作品があります。
作品No. sd08 ワン・ウェンチー(王文志)『小豆島の恋』
竹で作った巨大な作品です。
能登の千枚田を思い出すような地形です。なんと中に入れます。
すごい!!さらに竹の通路を通って外に出ます。手すりまである!
「オリーブの歌」という小豆島に伝わる歌をモチーフにした作品だそうです。ガイドさんがバスで歌ってくれました。
バスに乗って移動します。
作品No. sd20 シャン・ヤン『辿り着く向こう岸ーシャン・ヤンの航海企画展』
中国の古い家具や、作者が滞在していたニューヨークで見つけた、捨てられていた椅子の部品でできているそうです。
中に入れます。入れ子式で運んできて現場で組み立てたそうです。灯台がモチーフだそうです。
昔の瀬戸内の生活を壁を削ることで描いた作品。削った部分まで展示されているのが面白いですね。
作品No. sd21 中山英之建築設計事務所『石の島の石』
隣接していた公共トイレも作品です。
バスに乗って移動します。
作品No. sd34-B 福武ハウス「アジア・アート・プラットフォーム」「アジアギャラリー」
廃校が美術館として使われています。各部屋でそれぞれのアーティストの作品が展示されています。
リー・キット『Sketching the weight of idleness』
めっちゃ絵になる!!!(大興奮)リーキット×廃校はやばいです。
毛利悠子『鬼火:小豆島』
わーい!これこそ現代美術って感じでテンション上がります!
ステンレス網を貼ったスクリーンに微弱な電気を流し、細い糸が風に揺れてスクリーンに触れると、小さな花火を放ちながら通電し、音叉が鳴る仕組み。
暗いところで扇風機を見るとボルタンスキーを思い出しますね。
作品No. sd35 西沢立衛『葺田パヴィリオン』
外にあるのは建築家の西沢立衛の作品です。巨大な2枚の鋼板が溶接してあります。当然硬いのですが、写真だと布や紙みたいに見えますね。中にも入れます。
バスで移動します。バスから採石場などのすごい景色が見られました。石材業が盛んなのですね。
到着した駐車場から少し海岸へ歩きます。
作品No. sd36 リン・シュンロン(林舜龍) 『国境を越えて・波』
入口がもうすごいです!
めちゃめちゃ巨大です!!
この作品も中に入れます。すごーい!!
竹の通路を下って行きます。
海にでて子どもの像があります。
前回169体の砂の子どもを作ったそうですが、今度はブロンズ像で作ったのでなくなってしまうことはないとのことです。
以上バスで5か所を回りました。バスで土庄港に帰って来ました。私たちの組は集合時間も守って、島内の渋滞もなく、スムーズに行程がすすんだとのことでした。40分程度、自由行動でお土産屋さんを見てくださいとのこと。フェリーに乗り込むときにまた集合します。お土産屋さんは見ずに、せっかくなので土庄港の周りの作品を徒歩で見に行きました。
作品No. sd01 チェ・ジョンファ(崔正化)『太陽の贈り物』
フェリーで小豆島に着くときに見えた作品です。オリーブの葉を王冠に見立てているそうです。十和田市現代美術館の『フラワーホース』と同じ作者でした。
作品No. sd02 コシノジュンコ『アートノショーターミナル』
角が生えたような立体のドレスです。後ろに階段があり、顔をだして写真を撮れます。
作品No. sd03 キム・キョンミン『再び ・・・』
駐車場の隣みたいなところにありました。金属で水を表現しているそうです。どろどろとした部分は小豆島の形をあらわしているそうです。
30分ぐらいで3作品を歩いて見てまわれました。余った時間でお土産も買いました。集合して帰りのフェリーに乗り込んだところで解散です。フェリー内は帰りもお客さんでいっぱいでした。1時間程度で高松港に戻ります。予定通り17時半頃高松港に着きました。
作品No. tk01 大巻伸嗣『Liminal Air -core-』
高松港にある屋外作品です。イッタラのカップみたいだなあ。
私はこれでホテルに帰ってしまいました。後から気が付きましたが、高松にもいくつか作品があったようです。今回はオフィシャルツアーに参加するということで、ほとんど予習せず、ガイドブックも買っていませんでした。失敗したなあ。
ツアーの途中に気が付いて、公式アプリを落としてみましたが、すぐに固まって使い物になりませんでした。私だけでしょうか?
今回はアジア系の作家ばかりでした。島ごとにそのようなテーマがあるのでしょうか?福武ハウスには「ザ・現代美術」みたいな作品もありましたが、二つあった竹の巨大作品などは、現代美術に興味がない人が見ても楽しいと思います。きっとお子様も喜ぶと思います。
まとめ
今回、他の芸術祭も含めて初めてオフィシャルツアーに参加しましたが感想です。
メリット
・交通手段を心配しなくていい、知らない道や細い道を自分で運転しなくていい
・行程を考えなくていい
・バスの中で説明が聞ける(現場では自由に見れます)
・お昼ご飯の心配をしなくていい(飲食店自体が少ないので混雑するそうです)
・フェリーの切符を買うのに並ばなくていい(乗るのには並びますが、座れます)
デメリット
・自分で見たい作品を決められない
・時間が限られるので、気に入った作品があってもゆっくり見られない(そこそこ余裕はありましたが、じっくり見たい人には短いかも)
・下調べや運転などをしないので、現地の地理が頭にはいらない
オフィシャルツアーはラクですが、達成感はないですね。芸術祭はアートを見るのはもちろんですが、スタンプラリー的な楽しさもあるのでちょっと寂しいかもしれません。小豆島は他の島にくらべれば、レンタカーやバスがまだあるようなので、個人でも他の島よりまわりやすいかもしれないです。近県の芸術祭はこれからも個人でまわると思いますが、瀬戸内国際芸術祭についてはまたオフィシャルツアーに参加することもあるかもしれません。各島のオフィシャルツアーに参加されている方もいらっしゃるようでした。遠いですが、いつの日かまた行けますように。