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旅・グルメなどの記録

クリスチャン・ボルタンスキー+ジャン・カルマン「最後の教室」【大地の芸術祭】


こちらの記事からの続きです。

www.minimal1991.com

 

 2012年の大地の芸術祭で初めてクリスチャン・ボルタンスキー+ジャン・カルマンの「最後の教室」を見ました。当時は現代美術のことはさっぱり分からず、ただ怖い、不気味としか思いませんでしたが、強烈なインパクトを受け忘れられませんでした。そこから現代美術や芸術祭に興味を持ち、今では趣味のひとつになりました。「最後の教室」は芸術祭の期間中ではなくても、週末に公開しているとのことで、もう一度行ってみたいなあ……と思っていたところ、7月14日、ボルタンスキーが逝去したニュースが流れてきました。ちょうど休みがとれたので、もう一度「最後の教室」に行くことにしました。

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廃校をまるまる利用した作品です。2006年に作られた作品ですが、その後もいろいろ追加されています。

体育館の扉を開けると真っ暗で、足を進めるのが怖いほど。そしてめちゃめちゃ暑い(笑)目が慣れてくると多数の吊り下がった電球と扇風機が見えてきます。暗すぎてスマホではこれぐらいしか映りません。

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公式HPの写真を借りるとこんな感じ。

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壁には抽象的な映像が照射されており、扇風機も制御されていて、同じタイミングで動いたり、止まったりします。揺れる電球が止まった(ように見える)瞬間ははっとします。床には干し草が敷き詰められています。

かつてここにいた子どもたちの不在をあらわしていると言われています。

体育館から校舎に入ります。真っ暗な廊下はお化け屋敷みたい?

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廊下の奥にプロペラ?が回っていて、こちらに向かって照明が当たってるんですが、かっこよすぎて死にました。エモすぎます。

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ここで振り返ると自分の影が映るのもエモすぎる。

 

階段+電球も萌える。

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2階はハートビートの部屋。採取された心臓音に合わせて電球が点滅する真っ暗な部屋です。前回は正直、本当に怖かったですが、背景が分かったので楽しめました(?)ちょっとクラブみたい。

各教室の箱は棺を思わせる。

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こちらは3階。

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地域のお年寄りに持ってきてもらったものを飾ってあります。

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ここのスペースは写真で見るより明るいですが、写真のほうが暗くてかっこいいです。

3階の教室は明るいです。2009年にリニューアルされたそうです。

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蛍光灯が一本切れかかっているのにも、意味を感じてしまう……

来た道を戻って体育館をでてから、2018年に新設された「影の劇場~愉快なゆうれい達~」を見に行きます。小窓から覗くと、幽霊たちの影絵が見えます。

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大地の芸術祭での他のボルタンスキーの作品や、「Lifetime」も見に行きましたが、やっぱり「最後の教室」が飛びぬけて好きですね。元々、死を表現していたので、実際に亡くなっても寂しくないような気がします。ボルタンスキーの残した作品が仕掛けとしてまだまだこの世に動いていますよね。日本にあるまだ見ていない残された作品もいつか見に行きたいです。

 

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