岐阜に行く用事があり、ついでに名古屋でなにかイベントやっていないかなと調べると、芸術祭が行われると知り、行ってきました。
会期は2025年9月13日(土)から11月30日(日)です。
今年は3つのエリア、愛知芸術文化センター、愛知県陶磁美術館、瀬戸市のまちなかで行われています。前日に名古屋市内入りし、次の日朝いちで愛知芸術文化センターに行きました。
愛知芸術文化センターと愛知県美術館との違いはなんだろう?と思いましたが、同じビルのホールなども含めた総称が愛知芸術文化センターとのことです。栄駅からオアシス21を通過して行きました。
今回の芸術祭はコンセプトがしっかりしており、事前に読んでおくのがおすすめです。
連絡通路です。

まずは10階に行きました。コインロッカーは専用コインをもらうというシステムで無料です。
キャプションは現場にあるのと、ホームページ上のデジタルマップで見られます。デジタルマップで見られることを帰ってきてから気が付きました(笑)
ムルナヤ「海流と開花のあいだ」

サンゴやくらげなど全部編み物で海が表現されています。圧巻!すごくかわいいです。


「明日の収穫」大小島真木
陶器の不気味な顔に枝が刺さっていて、それぞれに小説の一説が添えられています。


人間と自然の関わり、収穫がテーマだそう。不気味ながらも美しく、惹きつけられる作品でした。
「INSULA(島)」川辺ナホ
炭鉱と送配電のイメージだそうです。美術館の床に実際に炭があり、踏まないように気を付けてくださいと言われました。きれいに撤去できるのかな?とか心配になりました(笑)



山本作兵衛の炭鉱労働をリアルに描いた絵もありました。女性も炭鉱で作業していたとは知りませんでした。瀬戸の窯業を支えていたのが九州の炭鉱だったというつながりだそうです。
「スカイ・レボリューション」バーシム・アル・シャーケル

天井にも壁にもきれいな抽象画と思いますが、イラク戦争での爆撃を目撃した光景だそうです。爆撃には遭ったけど生きている希望も描いているそうです。
「奪われた過去」ハラーイル・サルキシアン

ISに破壊された文化財を、3Dプリントによるパネルで表現しているそうです。


人命や家屋、財産はもちろんですが、文化財など壊すと元に戻らないものを破壊するというのは絶対に許せないですね。戦闘員も洗脳されてるんでしょうが…
「水盤」小川待子

外の風景とあいまって、とってもきれいです。

8階へ移動します。
「落選の花園」クリストドゥロス・パナヨトゥ

外のバラが作品なんですが、市場からはじかれた品種を集めているそうです。この発想がすごく面白いですね。私たちがいつも見ているのは、丈夫で美しく咲く品種なのでしょうが、開発される途中にははじかれる品種もあるんですね。もちろんあまりきれいに咲き誇ってはないです。時期の問題かな?
あとは今、キャプションを読んで気が付きましたが、箱を整理しているようなスタッフさん(にみえる方)がいて、素通りしてしまったのですが、それも演劇的要素をいれた作品だったそうです。ちゃんと見ておけばよかった(笑)
「森を見る2025」ロバート・ザオ・レンフイ



映像作品とインスタレーションでした。長期間、森を観察している映像なのですが、暗視カメラの映像に動物や研究員らしき人の映像が映っていました。開発によって一度破壊され、その後自然が回復した場所である「二次林」を観察しているアーティストとのことです。雰囲気がすごく好きな作品でした。
マユンキキ

電車の音と声が聞こえるなんだか懐かしい気持ちのする空間でした。富山県民としてはスキヤキでおなじみのマユンキキさん。芸術家でもあるとは知りませんでした。
「扉開けてくんろ」イキバウィクルル
橋の下世界音楽祭のコミュニティのみなさんとの映像作品で、展示はそこの喫茶店をモチーフにしたものだそうです。音楽祭の存在は知っていましたが、豊田市だったんですね。


「忘却が唇を奪わぬよう:私たちを震わせる響きだけが」バゼル・アッバス&ルアン・アブ=ラーメ
巨大な空間に低音が響いて、3面のスクリーン。ほぼクラブです。実際にあいち2025の関連イベントとしてクラブイベントもやったそうです。

映像はパレスチナ、イラク、シリア、イエメンの方々が歌い踊るものだそうです。
分団された共同体が過去と現在の両方で空間の権利と取り戻すことによって、自分たちの存在が消されないように抵抗する方法を再確認している(キャプションより)
久保寛子「青い四つの手を持つ獅子」

吹き抜け3階分ぐらい?の超巨大作品。ブルーシートで作られており、戦争と災害がテーマだそうです。
私は午後、芸術祭以外の予定があり、愛知芸術文化センターは2時間と超駆け足で見ました。映像作品もありますし、本当はもっと余裕をもって見たほうがいいと思います。2階を見逃してしまいました。次回はランチかカフェをはさんで半日かけてゆっくり見よう。