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旅・グルメなどの記録

石川県西田幾多郎記念哲学館

石川県西田幾多郎記念哲学館

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かほく市の観光情報を調べて初めて知った施設です。哲学には正直興味ないのですが、安藤忠雄の建物だということで行ってみました。

 

着いてびっくり!!すごい巨大な施設なんですね……

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駐車場からはエレベーターで上がります。

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安藤忠雄建築おなじみの大階段。淡路夢舞台にも似てますね。

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2002年オープンの施設だそうです。もうバブルでもないし、よくこんなに立派な施設が建てられましたね。かほく市はお金持ちなのかな。

館内にはかほく市生まれの哲学者、西田幾多郎についての展示品や、映像などで分かりやすく哲学を学べるコーナーがあります。

入館料は300円。展示室内は撮影禁止です。コンクリートの廊下をスロープで移動する感じは他の忠雄建築でもありましたね。

展望ラウンジから見える展示室です。

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展示室内なので写真は撮れませんが「空の庭」なる「タレルの部屋」みたいなスペースもありました。

こちらは瞑想の空間ホワイエだそうです。

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f:id:minimal1991:20210307181657j:plain天井は大きな天窓になっています。

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まわりをコンクリートの階段や通路が囲みます。

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手すりのテカテカしてない感じのスチール?が萌えます。

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尖った建物に地元の子どもたちの書が飾られているのが、ほっこりしますね(笑)

こちらは展望ラウンジです。かほく市が一望できます。

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大階段を展望ラウンジから見下ろしたところ。

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カルテルのスタルクの椅子とフロスのフロアライト。コンクリートの円柱の中はエレベーターです。

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とても見ごたえのある建物でした。建築好きな方はぜひ!

東京国立近代美術館工芸館@石川県金沢市

国立工芸館(東京国立近代美術館工芸館)

金沢に移転した国立工芸館に行ってきました。昨年10月にオープンしていましたが、観光客でいっぱいかな?と様子を見ていました。今は緊急事態宣言で金沢の観光客も少なそうなので、行ってみました。場所は県立美術館の横で、21世紀美術館や兼六園の近くです。

入館にはオンライン予約が必要です。当日でも空きがあれば入れるらしいですが、混雑している場合は待つそうなので、予約したほうが安心ですね。入館料は500円と安いです。

明治後期に建てられ、1997年に国の登録有形文化財に登録された木造の旧陸軍施設「旧陸軍第九師団司令部庁舎」(明治31(1898)年建造、元は司令部執務室)と「旧陸軍金沢偕行社」(明治42(1909)年、元は将校の社交場)を移築・活用。展示室部分はRC造で復元して新築し、外観は今回の移築改修に伴い判明した建築当時の色を再現しています。(公式HPより)

緑が素敵なレトロな洋館です。内部の階段なども素敵でした。

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隣にあるのはいしかわ赤レンガミュージアム(石川県立歴史博物館)です。

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広々したところにいろいろな施設が並ぶ場所になって、素敵ですね。さすが観光大国金沢です。

特別展の「うちにこんなのあったら展」を鑑賞しました。

www.momat.go.jp

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ルーシー・リーなんか家にあるわけないだろっ!と思わずつっこんでしまうタイトルです(笑)

本展では、クリストファー・ドレッサー(1834-1904)、富本憲吉(1886-1963)、ルーシー・リー(1902-1995)を中心に、国立工芸館のコレクションから厳選したデザイン・工芸作品をご紹介します。誰もが家の中での過ごし方や社会との関わり方を見直しつつある今だからこそ、生活を豊かにするデザインと工芸の可能性を信じた彼らの思考をたどりながら、これからの暮らしを考えてみませんか?(公式HPより)

ちょうど入ったタイミングがよかったのか、ルーシー・リーの作品も独り占めでゆっくり見られました。よく見るモダンな陶芸のほとんどが、彼女の影響を受けているのではなかろうかというぐらいですよね。我が家の食器棚はルーシー・リーフォロワーの作品ばかりと言っても過言ではないです(笑)

「工芸」というととっつきにくいですが、現代のものもほどよくあり、ミーハーな私でも知っている作家さんもたくさんいたので、とても見やすい展覧会でした。今の私の目から見てもモダンでおしゃれなものがたくさん。

入館料が500円と安かったですが、結構見ごたえのある美術館でした。

 

 

www.minimal1991.com

松本を散策 松本市美術館など

松本へのプチ旅行で市内を散策しました。

松本市美術館

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出身地ということで草間彌生一色です。かわいい!! 

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自販機も水玉。

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素敵な中庭もあります。

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以前にも訪れたことはあるんですが、常設展も内容が変わっており、とっても楽しめました。草間彌生の空間を使った作品も多く、美術に興味がない人でも楽しめるのではないかな?巨大な絵画作品で大量の丸を見ていると脳が揺れました。すごいパワーがありますね。

企画展はミュシャでした。今見ても洗練されてますね。ミュシャから影響を受けた作品として60年代サイケのジャケットや日本の漫画家の原画などの展示もありました。好きな山岸先生のものもありました。たくさんの人に影響を与えてるんですね。

 

縄手通り

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レトロなお店が並ぶ歩行者天国の通りです。

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四柱神社にもお参りさせていただきました。

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何度か松本には遊びに来ていますが、この川沿い好きだなあ。コロナが落ち着いたらまたバー巡りもやりたいです。

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信毎メディアガーデン

信毎メディアガーデン 新しい文化と出会う

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2018年にできた信濃毎日新聞の新しい松本本社だそうですが、1階から3階はお土産屋さんやカフェなどが入っています。おなじみ伊東豊雄の設計です。私はくまさんより豊雄派です。近くのまつもと市民芸術館も伊東豊雄です。

お目当ては2階のシードル屋さんです。

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(写真は公式HPより)

ポムジェ | 信毎メディアガーデン (長野県松本市)のショップガイド

シードルだけでものすごくたくさんの銘柄がありました。長野県内でこんなにたくさん作ってるんですね。迷いましたが、チャートで味わいの説明もあり、2種類買ってみました。地域共通クーポンがあるので、ほかにもりんごジュースやりんごのお菓子を買って自宅へ送りました。お菓子のパッケージもかわいいです。

1階には松本のカリスマカフェ、ラボラトリオプロデュースの雑貨屋さんもありました。今回は雑貨屋さんはあまりよらず、ギャルリ灰月さんだけ見に行きました。

 

松本駅周辺でランチの予定でしたが、お腹が空いておらず、安曇野のお菓子屋さんのプリンが売っていたのでイートインスペースでいただくことに。駅ビルの2階にありました。

信州ショコラトリーGAKU

喫茶・カフェ - MIDORI 松本 - ステーションビルMIDORI(長野店・松本店)

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固めで結構大きいプリンです。おいしかったです。他にも焼き菓子を買って帰りましたがおいしかったです。

 

地域共通クーポンがあったので、シードル以外にも日本酒や野沢菜などお漬物、りんごのお菓子などいろいろ買えました。地元に戻っても使えますが、せっかくなので松本で使い切りました。

リバーリトリート雅樂倶 宿泊記 館内施設

ロビー(新館)

お部屋を見て回ってからロビーに行きました。これは2階から撮った写真です。

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建築家は内藤廣、「数奇屋の繊細さとアジアの土臭さ」がコンセプトだそう。広大なロビーと大きな窓、神通峡、コンクリートを校倉に組んだ壁が圧巻です。ロビーは以前にも訪れたことはありますが、改めて感激しました。

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夜は立派なオーディオから音楽が流れていましたよ。

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チェックイン時のウェルカムドリンクはコロナ禍でなしですが、かわりにセルフカフェとなっています。

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コーヒー、アイスティー、緑茶、フレーバーウォーターなど。

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地元企業のラムネや牛乳などと、オレンジジュースがあります。チェックイン時に限り、ウェルカムドリンクのかわりなのか、ビールとアイスクリームが無料だったようです。このシステムを理解しておらず、「後で食べよう♪」と思っていたら、夜は有料になってました。悔しい(笑)

ドリンクをいただいた後は、雅樂倶を探検!

アートウォーク

まずはアートウォークと名付けられた外部を見学です。

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館内外のいたるところに作品があります。(奥の丸いオブジェです)

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紅葉はちょっと微妙でした。

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テラスの椅子は結構くたびれてたので替えてほしいなあ。

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ロビー(旧館)

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ほとんど使われておらず、もったいない感じです。ソファーたちも年季が入っていますね。今年、雅樂倶は20周年だそうです。

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カフェとバーはコロナ禍で営業休止中だそうです。

ショップ

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富山の工芸品や雅樂倶のスキンケア商品が売っています。食べ物のお土産は少な目。

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ライブラリー

新館に戻って、2階にライブラリーがあります。

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建築や美術系の本が中心。雑誌もあります。

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図書館のように本に番号がついていたので、部屋にも借りられるのではないかな?ウォーターサーバーもありました。

屋上

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 虹がでてる?

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見るところがいっぱいあるなあ。

大浴場 彩の湯 雅の湯

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大浴場は2か所あり、時間によって男女入れ替えです。残念ながら加水加温循環です。

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(写真は公式HPより)
他のお客さんは数人いらっしゃるだけでゆっくり入れました。靴箱も脱衣所も人数制限して、密にならないようにしていました。脱衣棚は自分の使った棚を「使用済み」にする札があり、除菌済の棚を選んで使えるようになっていました。客としては安心ですが、スタッフさんは大変ですね。

以前ランチしたときに入らせてもらったのが彩の湯で、雅の湯は初めて入りました。雅の湯は打たせ湯などがあるんですね。

大浴場の前には休憩コーナーがあり、お水、ソフトドリンクが無料でいただけます。

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休憩コーナーはかなり照明が落とされた落ち着いた空間で、写真には写りませんでした。マッサージチェアもあり、寛げます。久しぶりにラムネを飲んで、開け方が分かりませんでした(笑)

オブジェのような木の時計、すごくかっこいい!!

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Spring Day Spa

大浴場と別にもう一か所、宿泊者専用スパがあります。エステ付属のお風呂という感じですが、エステを利用しなくても宿泊者は入れます。

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 (写真は公式HPより)

露天風呂のみ温泉です。他にジャグジー、炭酸泉、サウナなどがありますが、コロナ禍でサウナは中止、炭酸泉もメンテナンス中になっていました。座りの洗い場はなく、シャワーブースがあります。こちらはもっと人が少なく独泉でき、とても快適でした。大浴場よりこちらのほうが新しそうですね。

そのほか岩盤浴のような施設もあるようですが、コロナ禍で中止でした。ちょっとやりたかったな。どちらのお風呂にも浴室内にウォーターサーバーがあって、休みながら長時間お風呂に入れるようになっていたのがうれしいですね。

チェックイン後にスプリングデイスパ、食事後に雅の湯、朝食前にお部屋のお風呂、朝食後に彩の湯に入り、4か所制覇しました!今回は地元で観光もしないので、朝2回入りました。

 

ギャラリー

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館内いたるところに作品がありますが、しっかりとしたギャラリーもあります。このときは篠田桃紅の作品展でした。モダンでかっこよかった!結構な広さに作品もたくさんありました。

その他、館内の素敵な作品です。

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これらはほんの一部で、もっとたくさんありました。館内すべてが美術館ですね。

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福井県立美術館・美術館喫茶室ニホ

福井県立美術館 Fukui Fine Arts Museum

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初めて訪れました。開館は1977年、設計は佐藤武夫だそうです。歴史のある建物ですね。

こちらのコレクション展を見に行きました。

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入場時、コロナ対策で消毒、検温、代表者の連絡先記入があります。入場料はなんと100円!?コレクション展だとしても安いので、作品の数はが少ないのかな?と思ったんですが、実際は41点あり、見ごたえありました。

田舎の美術館あるあるですが、お客さんがおらずほぼ貸し切り状態!!大きい豪華な屏風絵もゆっくり見放題です!!広ーい展示室で右から見たり、左から見たり、後ろに下がったり、目の前で見たり、やりたい放題です。最高ですね。100円でこんなにいい思いができるなんて!

特に詳しくはないですが、菱田春草が好きで、この日は「海辺朝陽」という作品が気に入りました。モダンで素敵。フライヤーの「落葉」は展示替えで見られず残念でした。

 

こちらの美術館の喫茶店がまたとーっても素敵で雰囲気がよかったです。こぢんまりしたお店なので、店内全体の様子は撮れませんでした。お店の案内を見てくださいね。

美術館喫茶室ニホ

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外のテラスにもお席がありました。春とか秋はいいんだろうな。

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カフェオレてんさいプリンをいただきました。

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プリンは濃厚でおいしかったです!

飾ってある絵もかわいいし、スタッフさんたちの雰囲気もよかったし、本もあったし、一人で来て長居したいようなカフェでした。また行きたいなあ。

 

インポッシブル・アーキテクチャー ―建築家たちの夢@国立国際美術館(大阪)

インポッシブル・アーキテクチャー | 展覧会 | NMAO:国立国際美術館

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建築の歴史を振り返ると、完成に至らなかった素晴らしい構想や、あえて提案に留めた刺激的なアイディアが数多く存在しています。未来に向けて夢想した建築、技術的には可能であったにもかかわらず社会的な条件や制約によって実施できなかった建築、実現よりも既存の制度に対して批評精神を打ち出す点に主眼を置いた提案など、いわゆるアンビルト/未完の建築には、作者の夢や思考がより直接的に表現されているはずです。
この展覧会は、20世紀以降の国外、国内のアンビルトの建築に焦点をあて、それらを仮に「インポッシブル・アーキテクチャー」と称しています。ここでの「インポッシブル」という言葉は、単に建築構想がラディカルで無理難題であるがゆえの「不可能」を意味しません。言うまでもなく、不可能に眼を向ければ、同時に可能性の境界を問うことにも繋がります。建築の不可能性に焦点をあてることによって、逆説的にも建築における極限の可能性や豊饒な潜在力が浮かび上がってくる――それこそが、この展覧会のねらいです。
約40人の建築家・美術家による「インポッシブル・アーキテクチャー」を、図面、模型、関連資料などを通して読み解きながら、未だ見ぬ新たな建築の姿を展望します。(公式HPより)

 

この展覧会は説明の通り、この世にない、作られることのなかった建築の案が図面や模型、CGで展示されています。なぜ作られなかったかというと、奇想天外すぎて技術的に不可なものや、コスト的に無理だったものもありますが、コンペに負けたというのもありました。

 

ウラジーミル・タトリン「第3インターナショナル記念塔」

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  (写真は公式HPより)

1919年ソヴィエトの芸術家ウラジーミル・タトリンによって構想された、モニュメントでもある鉄製の塔。鉄とガラスを素材とし、高さは400メートルにもなることが予定されていた。塔の形態は14年タトリンがさまざまなフォルムの素材を組み合わせて作成した《コーナー・カウンター・レリーフ》に基づいている。塔の外側は斜めの柱と二つの螺旋構造物から成り、格子状の支柱で支えられていた。内部には立方体、ピラミッド、円柱、半球の形をした四つのフォルムが設置された。立方体は1年に1回転、ピラミッドは月に1回転、円柱は1日に1回転、半球は1時間に1回転し、それぞれ会議室、インターナショナルの組織、出版局や電報局といった情報局として利用されるよう構想された。20年に模型と二つの図面、綱領的スローガンがペトログラード(現サンクトペテルブルク)のスヴォマス(自由国立芸術工房)で、その後連邦会館のホールで展示された。25年には高さ4メートルの模型が作成された。記念塔は模型のみで実現はされなかったが、鉄とガラスという新しい素材の利用、大胆な形態、高度な技術の要請、そして自然のメカニズムとの調和や革命の理念を志向しているという点で、ロシア・アヴァンギャルドの象徴的作品とされている。

アートスケープより)

 

塔の中のガラスの建物が、それぞれ回ってて、それがお役所だってことですかね。すごいです。CGで鉄のむきだしの感じとおどろおどろしい音楽がマッチしていてめっちゃ萌えましたね。ロシア・アヴァンギャルドは全く詳しくないですが、なんとなく昔から好きです。

 

ザハ・ハディド・アーキテクツ+設計JV「新国立競技場」

こちらは記憶に新しいですよね。こちらは再現ではない実際の模型やCG、分厚い図面、さらには構造性能評価書という、構造的に大丈夫ですよという書類まで準備してあって、本当に造れたんだと思うと残念ですね。今はくまさんの競技場も叩かれて、「ザハの競技場を作っておけば、世界に自慢できる建築が残せたのに!」という意見も多いですが、当時はコストの件でザハ側が叩かれてましたし、仕方なかったんでしょうか。海外になりますが、いつかザハ建築を見に行きたいです!!そしてこれらの計画したコストってどうなってるんだろう?

 

磯崎新「東京都庁」

こちらもおなじみ東京都庁ですが、当然コンペが行われたわけで、落ちた人もいるんですよね。磯崎新の案は、低層で実際の今の都庁のような超高層へのアンチ的な意味もあったそうです。仕事をとるためというより、意見の主張のための参加だったんでしょうか。提案のコストとか部下の苦労を考えてしまう(笑)

 

黒川紀章「東京計画1961-Helix計画」もまるでSFの世界ですごかったです。DNAの形のようなありえない建造物です。模型でも迫力がありました。さすがにあれは無理だと思う(笑)個人的にメタボリズムは好みじゃないです。

荒川修作+マドリン・ギンズ、アーキグラム「問われているプロセス/天命反転の橋」もちょうどテレビで「三鷹天命反転住宅」を見たばかりなので、タイムリーでした。

建築の展覧会は、実物を展示するわけにいかないので、図面や模型などになるんですが、そこを逆手にとって、この世になかった建築を展示するという面白い展覧会でした。現実にある都庁などの他の案というのもあって当然なのですが、今まで考えたことがなかったので面白かったです。

建築関係の方はもちろん楽しいと思いますが、素人の私でも楽しめました!

全国4ヵ所を巡回していましたが、大阪が最後のようです。会期は3月15日(日)までです。

bijutsutecho.com

インポッシブル・アーキテクチャー | 取材レポート | インターネットミュージアム

 

ついでにコレクション展も見てきました。

コレクション―現代日本の美意識 | 展覧会 | NMAO:国立国際美術館

ジャンル問わず、現代の作家の展覧会でした。好きになったのは柴田敏雄の地方の建物や建造物の写真です。美しいけど異様な雰囲気がありました。 宮本隆司の廃墟っぽい写真も好きになりました。

 

www.minimal1991.com

 

www.minimal1991.com

 

 

2020年行きたい展覧会

明けましておめでとうございます。つたないブログですが、本年もよろしくお願い致します。

 

昨年頭に、行きたい展覧会をまとめておりました。

地方住みなので、他の予定と合わせてうまく行けないか?と考えるのに自分でも何度も見直しました。便利だったので、今年も書きたいと思います。

昨年を振り返ると、塩田千春展、クリスチャン・ボルタンスキー展、瀬戸内国際美術祭に行くことができました。

クリスチャン・ボルタンスキーと瀬戸内は行けると思ってなかったのに、チャンスがあり行くことができて、とってもうれしかったです。塩田千春は絶対行くつもりだったのに、なかなかハードルが高いことになりましたが、結果行けてよかったです。

 

では、今年行きたい美術展のメモです。地方住みの個人的な趣味での覚書になりますので、偏りがあることをご了承ください。

 

昨年からの積み残しは 

原美術館(東京)

今年、閉館してしまうので、絶対に行きたいです。

森村泰昌:エゴオブスクラ東京2020―さまよえるニッポンの私
会期:2020年1月25日[土]‐4月12日[日]

www.haramuseum.or.jp

個人的に森村泰昌さんはあまり興味がないかなあ…5月以降の展覧会はまだ発表されていませんが、またチェックしてみよう。

 

もう一つの積み残しは

東京都現代美術館

再オープンしてから行ってません。

ミナ ペルホネン/皆川明 つづく
2019年11月16日(土)〜2020年02月16日(日)

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www.mot-art-museum.jp

オラファー・エリアソン
2020年03月14日(土)〜06月14日(日)

www.mot-art-museum.jp

どちらも魅力的ですね。

国立国際美術館(大阪)

インポッシブル・アーキテクチャー ―建築家たちの夢
会期: 2020年1月7日(火)―3月15日(日)

インポッシブル・アーキテクチャー | 展覧会 | NMAO:国立国際美術館

2月に大阪に行くことが決まっているので、そのときに行ければいいなと思います。

北アルプス国際芸術祭2020(長野県)

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会期:2020年5月31日〜7月19日

shinano-omachi.jp

前回2017年に行われた北アルプス国際芸術祭が今年行われるようです。

www.minimal1991.com

前回は日帰りで行きましたが、今度は泊まりで行きたいな。作品はもちろん大町の古い商店街も味わい深いので、本気のレトロが見たい方もぜひ。

※ 開催延期

 

奥能登国際芸術祭2020(石川県)


2020年9月5日(土)-10月25日(日)

oku-noto.jp

こちらも2017年に続いて2回目の開催です。このブログを始めるきっかけとなったイベントです。 

www.minimal1991.com

最涯の芸術祭、美術の最先端。とキャッチコピーがついていますが、本当にアクセスしにくいところです。もちろん過疎です。海しかありません。複雑な気持ちになることもありますが、絶対また行きたいです。

※2021年9月4日(土)から10月24日(日)までの51日間を基本に、1年間延期

東京国立近代美術館工芸館が金沢へ移転

www.momat.go.jp

東京は3月8日で閉館し、金沢に移転するそうです。金沢のオープン日はまだ発表されていないようです。「旧第九師団司令部庁舎」や「旧金沢偕行社」などの古い文化財の建物が利用されるそうです。石川県立美術館に隣接するそうで、ますます混みそうですね(笑)

 

東京ステーションギャラリー

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開校100年 きたれ、バウハウス ― 造形教育の基礎 ―
会期:2020年7月17日(金)-9月6日(日)

東京ステーションギャラリー - TOKYO STATION GALLERY -

巡回していた展覧会ですが、どこも見れませんでした。こちらが最後のようなので、なんとか見たいです。オリンピック期間は避けたい。 

アーティゾン美術館(東京)

1月18日開館

www.artizon.museum

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新しくオープンするアーティゾン美術館も行ってみたいです。東京駅に近いので、地方民の私には予定に組み込みやすいですね。日時指定の予約制のようなので、あまり混雑なく見られるのでしょうか?ジャンルも幅広いようです。

コレクションの核となるのは、19世紀フランス印象派と20世紀の西洋絵画、そしてその影響を受けて発展した明治以降の日本近代洋画、第二次大戦後の抽象絵画です。また東洋の美術、西洋の古代美術、近現代彫刻も、あわせて収蔵しています。(公式HPより)

 

また気になるものがあれば追加していきます。全部は無理だと思うけど、できるだけ行ければいいな。

飯田市美術博物館@長野県飯田市

飯田市美術博物館 | IIDA CITY MUSEUM

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飯田出身の菱田春草のファンなので、行ってみたいと長年思っていました。

かなり個性的な建物です。昭和63年にできたようで原広司の設計です。京都駅ビルや梅田スカイビル、十日町のキナーレなどを手掛けた方のようです。

菱田春草の展示は「第18期 春草のルーツ・飯田」というテーマで春草の作品と関わりのあるほかの作家の作品が並んでいました。春草の作品は6点ぐらいかな。コレクションは30点もあるようですが、全て展示してあるわけではないのですね。正直見られた作品が少なくてがっかりしました。こんなに遠くまで来たのに・・・鹿の絵が見たかったな(泣)なかなか遠いので、通うのは難しいなあ。

他の展示は「現代の創造展」という地元作家の展覧会でした。ジャンルは様々で、日本画、書、洋画、工芸、現代美術などいろいろなものが見られて楽しかったです。

博物館でもあるので、伊那の自然についての展示や、恐竜の骨格、動物の剥製、プラネタリウムなどもあります。

入館料は310円で全部見られて安かったです。(プラネタリウムは除く)

外には岩石の展示もありました。産地なんですね。f:id:minimal1991:20191118114541j:plain

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とてもいいお天気でした。

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菱田春草生誕之地」という石碑もありました。横山大観が書いたんですね。

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金沢21世紀美術館 開館15周年記念 現在地:未来の地図を描くために[1][2]

公式HP

金沢で時間があったので、21世紀美術館に行ってきました。週末は必ず大行列です。チケットはコンビニでも買えますよ。兼六園の前、香林坊の徒歩圏内、SANAAの素敵なガラス張りの丸い建物ということで、ものすごい沢山の観光客の方々が訪れています。地方の美術館はガラガラなことが多い中、これはすごいことだと思います。しかし、混雑しすぎて、お客さんも監視員さんも疲弊してるし、機能してないなあとも毎回感じます。

現在は15周年記念で企画展はやっておらず、常設展の拡大版という感じでしょうか。見たことある作品もたくさんありました。[1]と[2]というエリアに分かれており、入口が2ヵ所あります。正面入り口から入ると[2]のエリアなのですが、展示室は1~6です。[1]のエリアは展示室7~14です。さらに[2]のエリアから出るとき『[1]もありますよ~』という案内も特にないので、そのまま帰っちゃう人がいないだろうか?と思います。私だけかな?

あとは入口には撮影NGとなっていましたが、実際は展示室単位で撮影OKとNGがあったようです。これも分かりにくい。

後から理解しましたが、なぜ分けるのだろうと思ったら[1]と[2]で会期が違うんですね。

 

展示室ごとにテーマを設けて展示してあります。ゲームをテーマにした部屋は賑わっていましたね。個人的には音楽が好きなので音楽とバイオテクノロジーの融合みたいなテーマの部屋も面白かったです。

 

今回印象に残った作品はツァオ・フェイ『ルンバⅡ:遊牧民』という映像作品です。瓦礫の中で作業員さんたちが作業をしています。そんな中、屋外でルンバが動いています。外にルンバがいる時点でおかしいですね。よくルンバはペットみたいと言われますが、意思を持った動物の群れのように見えてきます。さらにルンバの上に鶏のリアルな剥製(?)を乗せたりしてさらにユーモラスに。瓦礫の遠くには近代的な高層ビルも見えます。中国の急すぎる発展をあらわしているらしいです。

 

他にはムン・キョンウォン&チョン・ジュンホ『世界の終わり』。こちらも映像作品です。左右にスクリーンがあり、別の映像が同時に写されます。右は世界が滅亡したあとのような無菌工場のようなところで、女性が実験をしています。左は雑然とした倉庫のようなところにいる男性です。

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(写真は公式HPより)

男性は世界の終わりの最後まで、作品を作り続けていて、女性は終末後の世界に残された作品を読み解こうとしているとのこと。スタイリッシュな映像でひきこまれました。

 

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(写真は公式HPより)

オラファー・エリアソン『水の彩るあなたの水平線』

真っ暗な部屋の中に水の波紋が浮かぶきれいな作品。こういう作品は現代美術に興味がない人でも楽しいと思います。

 

現代工芸のコーナーもよかったです。

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(写真は公式HPより)

 

かなり範囲が広く、作品もたくさんあります。2時間程ひまをつぶそうかなと思って入りましたが足りないくらいでした。

会期は[1]が12月19日まで、[2]は前期と後期があり、前期は12月19日まで、後期は2020年2月4日(火)~4月12日(日)だそうです。

21世紀美術館は2019年12月20日(金)から2020年2月3日(月)までの間、改修工事のため全館休館するそうです。遠方から来られる方は気をつけてくださいね。

 

 

 

 

 

 

 

話しているのは誰? 現代美術に潜む文学@国立新美術館

www.nact.jp

森美術館から美術館のはしごで行きました。森美術館のチケットを提示すると割引料金で入れます。

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庭に「吉岡徳仁 ガラスの茶室 - 光庵」がありました。以前京都の将軍塚青龍殿で見たなあ。

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展覧会概要
国内外で活躍する日本の現代美術家6名によるグループ展を開催いたします。本展に参加する6名の作家は1950年代から1980年代生まれまでと幅広く、表現方法も映像や写真を用いたインスタレーションをはじめとして多岐にわたります。これら作家に共通するのは、作品のうちに文学の要素が色濃く反映されていることです。
古代ローマの詩人ホラティウスが『詩論』で記した「詩は絵のごとく」という一節は、詩と絵画という芸術ジャンルに密接な関係を認める拠り所として頻繁に援用されてきました。以来、詩や文学のような言語芸術と、絵画や彫刻のような視覚芸術との類縁関係を巡る議論は、さまざまな時代と場所で繰り広げられてきました。
展覧会タイトルが示唆するように、本展では文学をテーマに掲げています。ですが、ここでの文学は、一般に芸術ジャンル上で分類される文学、つまり書物の形態をとる文学作品だけを示すわけではありません。現代美術において、文学はこうした芸術ジャンルに基づく区別とは違ったかたちで表れているように思われます。日本の現代美術における文学のさまざまな表れ方を経験していただければ幸いです。(公式HPより)

 

「話しているのは誰? 現代美術に潜む文学」でとにかく印象に残ったのは山城知佳子 《チンビン・ウェスタン『家族の表象』》という映像作品です。30分程度あるので、普通に映画です。美術館の映像作品は全部見ずにでることが多いのですが、ほぼ全部見てしまいました。沖縄の辺野古に基地施設と環境破壊など、重いテーマを扱っています。不穏な空気もあったりするのですが、なんだかユーモラスな部分もあったり、不自然なところがまた面白く、普通に映画として面白かったです。役者さんなのか、登場人物もタトゥーだらけの美女や、オペラ歌手の男性など気になる方ばかりでした。指のタトゥーは沖縄の伝統的なものかな。リアルとファンタジーを行き来する感じが園子温や黒沢清の映画のようでした。

ほかに印象に残ったのは最初の作品の田村友一郎 「Sky Eyes」。あることを批判している作品なんですが、ちょうどそれを利用したばかりの私は「うわー!」となりました(笑)

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ほかには北島敬三「UNTITLED RECORDS」。特に国内の廃墟の写真がとてもよかったです。 3.11前後の風景らしいです。小林エリカ「わたしのトーチ」もとてもきれいでした。中身は強烈な批判だけどね。

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会期は11月11日(月)までです。

細野観光1969 – 2019@六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー・スカイギャラリー

tcv.roppongihills.com

※この美術展は終了しています

森美術館の1F下の東京シティビューで行われていた、細野観光1969 – 2019も見てきました。塩田千春展と同じチケットで入れます。

私は細野さんの熱狂的なファンか?と言われればそうではありませんが、国内の音楽に与えたとてつもない影響力は、存じております。好きな邦楽をたどっていけば、必ずどこかで細野さんにつながるんですよね。YMOの3人の中ではもちろん細野派です。

まず音声ガイドを借りました。600円です。ナイツ・塙宣之、星野源、高橋幸宏、水原希子、原田郁子が担当しています。最初と最後は細野さん本人も登場しますよ。

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ギタータワー、宇宙人もいます(笑)

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オリエンタル顔はめパネル。ユーミンも来場して写真を撮ってましたね。

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このような感じで時代ごとの活動がパネルで紹介されており、実際のレコードやCDも展示されています。このときの写真かっこいいな。

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名盤の「HOSONO HOUSE」。「薔薇と野獣」という曲が大好きです。最近アルバムまるごとセルフカバーもされましたね。

ギターやベースはもちろん、民族楽器やおもちゃ、機材も展示されています。

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かわいい機材萌え。

また、細野さんの書いたノートや漫画もたくさん展示されていました。ノートには几帳面な字で「海外のバンド名」や、「Mから始まる言葉」など。。ネタ帳なのかな。とても絵が上手で漫画はプロっぽかったです。

他に興味深かったのは、ジャンル別に蔵書が展示されており、漫画や映画、ちょっとスピリチュアルなどいろいろな分野の本がありました。当然センスいいです。

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最後にはスピーカーが何十発と埋め込まれたカプセルに入り、曲を聞くことができるコーナーがあり、体験してみました。定員2名で2分程度聞けるそうです。2組ぐらい待って入れました。中は暗くて写真は撮れませんでしたが、壁と天井全部にびっしり小さいスピーカーが埋め込まれています。立体的ですごくいい音でした。無料でしたが、お金だすからもうちょっと聞かせてほしいと思いました。

最後の売店では細野さんがゆるキャラにされたグッズが。キーホルダーをお土産に買いました。

会期は11月4日までです。

 

今回、日帰りで東京を周りましたが、現金を使ったのは細野観光のオーディオガイド600円と六本木ヒルズでつかったコインロッカー代200円、国立新美術館のコインロッカー(リターン式)100円だけでした。昨年、東京に行ったときは美術館入場や売店などは対応していないところもありましたが、今回は交通系カードやQRコード決済で大丈夫でした。コインロッカーは駅の場合は交通系カードで支払いできますが、それ以外のところはまだなんですね。

 

www.minimal1991.com

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塩田千春展:魂がふるえる@森美術館(六本木ヒルズ)

www.mori.art.museum

※この美術展は終了しています。

塩田千春展は7月に森美術館まで行きましたが、1時間待ちの大行列!そのときは塩田さんに関心のない家族も同行していたので、待たせるのも申し訳なく、今回は一人で行ってきました。台風の影響で北陸新幹線が止まったり、「もう東京行けないかな?」とも思ったんですが、なんとか復活してくれて、最終日に滑り込みで行けました。

並ぶことは分かっていたので、オープンの10時の1時間半前に並びました。それでも私より前に一人いました(笑)9時20分ぐらいには扉があいて、前売り券を持ってる人と持ってない人で分けられます。中に入って、さらに並びます。9時40分ぐらいから前売り券とチケットを引き換えてもらい、52階の入り口まで進みます。

こちらのエレベーターのスペースにも作品があります。 

「どこへ向かって」

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 糸を使った繊細な作品は私のスマホでは全然きれいに映りませんでした。興味のある方は公式の画像をご覧ください。

10時ぴったりだったか分かりませんが、エレベーターの仕切りがとられてようやく入場することができました。「美術館の朝いちに並ぶ」という経験は初めてで、これはこれでおもしろかったですね。

 

「不確かな旅」

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今回の展覧会の目玉の一つの作品です。私は奥能登国際芸術祭でも同じ「船×赤い糸」の作品を見ています。その時は実際に使われていた船を使っていたと思いますが、今回はワイヤーで作られた船でした。

www.minimal1991.com

白い壁に映えて分かりやすいですが、よく見るとすごく立体的に糸が張られています。直線だけでなく、丸みがあったり、なかったり。設計図とかあるのかな?

美しいと同時に血を思わせるような怖さもあって、感動しました。

 

 

「静けさのなかで」

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こちらも目玉の作品。焼けたピアノと椅子に黒い糸が張り巡らされています。理屈ぬきでめちゃめちゃかっこいいですね!!!たまらん!!!9歳のとき、隣の家が家事になって、燃えたピアノを見て美しいと思ったのがきっかけで作ったそうです。ギターもそうですが、ピアノもいろんな人に焼かれてますね。

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「時空の反射」

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中に鏡がある作品で、「ん?ドレス本当は1枚?2枚?」と戸惑う作品です。実際には2枚ありますが、鏡によって1枚が2枚に見える角度もあります。ドレスが皮膚や外との境界として暗示されているそうです。白い服を着せられて苦しそうな女性にも見えちゃう。

 

目玉となった大きな作品の二つ以外にも、絵画の作品や、今までの作品を写真や映像で展示してあり、塩田千春の歴史が分かるような展覧会になっていました。真っ赤な絵の具をかぶったり、全裸で土のあいだ(割れ目?)に横たわるという一見ショッキングな作品もあります。全裸に血管を思わせる管を巻いた作品(動画)もありました。どうしてもやっぱり血=月経を連想します。女性は月の物から逃げられません。バスタブで本人が泥をかぶり続けるという作品や、何メートルもあるドレスに泥水を流し続ける作品もありました。若い頃の作品はどうしても女性性への抵抗のようなものを感じます。

病院を思わせるベッドに黒い糸をはりめぐらせた「眠っている間に」という作品もすごく好きですね。

 

「再生と消滅」

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はっきりいって見た目はすごく気持ち悪い作品です。病気をされたことで、自分の細胞や内臓、血管を意識して作られた作品だそうです。

塩田千春はオペラなどの舞台美術も手掛けており、その模様を写真や動画で展示するスペースもありました。このような活動は知りませんでした。舞台美術ばかり見てしまいそう。

親戚の顔写真を何十枚も並べた作品や、がれきのようなものの作品などはクリスチャン・ボルタンスキーを連想してしまいました。同じ死や不在をテーマにしている作品が多いからでしょう。

 

「集積:目的地を求めて」

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たくさんのスーツケースが赤い紐で吊り下げられており、一部のスーツケースは揺れています。上っていくところが旅=人生に希望を感じる作品。

他に現在の作品は、実際塩田さんが病気になった体験を表した作品や、子どもに「魂とは?」という問いを投げかけた作品もありました。実際、娘さんがいらっしゃるようです。72年生まれの方なので、まだお若いのですね。若くして売れっ子になったのか。

写真撮影はほとんどがOKでした。もちろん私も撮りましたし、うれしいのですが撮影に夢中だったりするのはちょっと寂しいかなとは思います。さらに作品の前で記念撮影(人物をいれる)する感覚は信じられません。よくも悪くも怨念や不安な気持ちがこもっていて、怖いし、すごく圧があるので、ただただ「きれいだな~」というお花畑みたいなものとは違うと思うんですが。しかし、撮影OKだったからここまで客足がのびたと思うので、成功なんでしょうね。外国からのお客様もたくさんいらっしゃいました。

本当に行ってよかったです!!!

 

bijutsutecho.com

casabrutus.com

spice.eplus.jp

富山県美術館「日本の美 美術×デザイン」 -琳派、浮世絵版画から現代へ-

tad-toyama.jp

日本美術の大きな特徴のひとつに装飾性があります。琳派の流れは、自然の豊かさをモチーフとし、きらめく金銀の「かざりの美」と洗練されたデザイン性により、絵画・工芸のジャンルを越えて人々に愛されてきました。
また、江戸時代に人々を魅了した浮世絵版画は、古今東西の表現を柔軟に取り入れたものです。大胆な構図や色彩といったデザイン感覚に富む表現は、19世紀ヨーロッパで印象派の画家たちを魅了し、今なお高い人気を誇っています。

明治以降、「絵画」と「図案・デザイン」は区分されるようになりましたが、日本美術の装飾性は多様なジャンルに浸透し、現代でも多くのアーティストやデザイナーに受け継がれています。

本展では、日本の美術にみる装飾性・デザイン性に着目し、琳派、浮世絵版画から現代絵画、ポスターまで、その多様な美の様相を紹介します。

 (公式HPより)

 

富山県美術館の企画展に行ってきました。日本画の企画展のフライヤーにしては斬新なデザインですね。紙だと分かりませんが、Webだと目がぱちくりしてかわいいです。

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富山県近代美術館時代からおなじみの永井一夫さんかな?と思いきや、それぞれ名作の目をサンプリングしているそうです。

赤いポスターの目 : 東洲斎写楽「市川鰕蔵の竹村定之進」
青いポスターの目 : 上から東洲斎写楽「谷村虎蔵の鷲塚八平次図」・豊原国周「源よしつね 尾上菊五郎」・喜多川歌麿「青樓七小町 若那屋内白露」・俵屋宗達「風神雷神」・永井一正「富山県美術館キャラクター『ミルゾー』」(デザイン事務所のHPより引用)

葛飾北斎や歌川広重などの浮世絵や、俵屋宗達、酒井抱一などの日本画がありました。特に日本画に明るいわけではないのですが、華やかな屏風絵には惹かれます。四季が同時に描かれているなど、現実にはありえない独自の世界の美が幻想的でもあります。

また、横山大観など明治以降の作品もあり、現代の作品もありました。風神雷神になったマリオとルイージなど面白かったですね。

前期、後期で一部作品の入替があるので、行けたらもう一回行きたいなあ。

この企画展は10月20日までです。

 

同時開催の企画展

tad-toyama.jp

Eテレの番組びじゅチューン!の企画展も見られます。こちらは無料です。日本画の企画展とリンクした内容でした。「浮世絵師の体験コーナー」ではミニ版画体験ができたり、「北斎のビッグウウエーブを体感できる巨大スクリーン」では声を出して参加ができます。お子さんはもちろん大人も楽しめます。こちらは写真撮影も可能でした。

 

現在のコレクション展はこちら。10月28日まで

tad-toyama.jp

 

次回の企画展

瀧口修造/加納光於《海燕のセミオティク》 2019
詩人と画家の出会い交流創造 11月1日(金)ー 12月25日(水) 

 

チームラボ 永遠の海に浮かぶ無常の花@金沢21世紀美術館 名和晃平ほか

21世紀美術館は度々訪れていますが、記事にするのは初めてです。週末はいつも観光客が大行列なため、よっぽど好きな作家のときしか行かなくなりました。美術館主催の企画展はコンビニで事前にチケットを買えば並ばなくていいですよ。www.teamlab.art

人気のデジタルアートのチームラボの個展が金沢にも来たということで、家族の希望で見に行きました。

チケットは日付指定で売っています。ネットで事前に買いましたが、当日現地でも買えるようでした。料金は2,200円です。混雑するだろうなと思い、朝早く行くことに。開始時間の10時に到着すると、行列ができていましたが、「20分待ち」ということで一安心。並び始めるとどんどん進んでいくので、結果10分ぐらいの待ちで入場できました。

展示は地下と1Fにあります。まず地下から見るので、地下のほうの行列に並んでください。

 

あまりうまく撮れなかったので、写真は少な目です。

Black Waves: 埋もれ失いそして生まれる

この波の作品は広範囲で、さらに鏡や壁で仕切られたスペースがたくさんあり、迷いそうな感じです。

 

永遠の今の中で連続する生と死、コントロールできないけれども共に生きる

噂の触ると映像が変わるという展示です。触ることにより、花が咲いたり散ったりするとのこと。すぐに反応するわけではないので、ちょっと分かりにくかったです。波の作品の一角にある作品なので、見落とさないように気を付けてください。

 

反転無分別 - Black in White 

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書道で書いたものが動き出すような作品。

 

フラワーズ ボミング

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紙に塗り絵で書いたお花をスキャンすると、壁に現れて動き出すという作品。お子さんはもちろん大人の方も書いていました。センス問われる~!!

 

ここまでが地下の作品です。1Fに上がり、また行列に並びます。でも10分くらいですんだかな。

 

光群落

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鏡とレールの部屋の中を光の玉が進んでいって、色が変わります。なかなかきれいでした。

1時間ちょっとぐらいで見終わりました。やっぱり自撮りしてインスタにあげるまでがセットの作品ですね。ものすごく混雑はしていましたが、みなさん上手に自撮りしていました。一般のみなさんもモデルさんみたいに表情を作れてすごいなあと思います。塗り絵のところはお子さんはとても楽しいと思います。年配の方もいらっしゃいましたし、みんなで楽しめる展示ですね。

私たちが見終わった11時半頃には60分待ちの行列になっていました。お盆休み中なのもあると思いますが、週末はある程度、行列覚悟で臨んでください。この展示は9月1日までです。

 

この日は21世紀美術館の企画展は見ず、無料で見られる作品展を見ました。

 

名和晃平 Foam 8月25日(日)まで

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室内に実際に巨大な泡の彫刻を作る作品。私は2013年の「あいちトリエンナーレ」で見ています。さらにそれに青い光を当てた作品です。現地で見るともっと白く見えるのですが、写真に撮るとまるで分かりませんね(笑)

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目で見たものと、写真で撮ると全然違うので、それも面白いです。子どもだったら泡につっこみたくなっちゃう作品ですね。

 

アペルト11 久野彩子 都市のメタモルフォーゼ 9月23日(月)まで

 

金属でものすごーく細かく都市を再現するという作品でした。 

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佐藤浩一 第三風景 9月23日(月)まで

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スクリーンには農園の動画、飾ってあるのはアダムとイブのような絵とイチジクです。空間にイチジクの香りがします。説明をしっかり読まないと訳が分からない、読んでもなんとなくしか分からない、ザ・現代美術って感じです。ほとんどのお客さんがすぐに出て行ってしまいます。せっかくなので説明を読むとおもしろいですよ!

谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館@石川県金沢市

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www.kanazawa-museum.jp

7月26日に開館したばかりの谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館に行ってきました。

金沢建築館は、建築・都市についてのミュージアムです。金沢の名誉市民第一号の建築家 谷口吉郎氏の住まい跡地に、吉郎氏の長男で、国際的に著名な建築家である谷口吉生氏の設計により建設されました。
当館は、展覧会をはじめ、講座や建築ツアーなどさまざまな活動を通じて、金沢から世界へ建築文化の発信拠点を目指しています。

(公式HPより)

公共交通機関で来るように公式HPには書いてあります。ちょっとだけ街からは離れたところですね。バスで行けるようです。車の場合は建物の裏(犀川沿い)に有料の駐車場があり、階段で建物側に出られるようになっています。 

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入館料は300円と安いです。

建物は3階建てで、地下に企画展、1Fが受付、カフェ、ショップがあり、2Fが迎賓館赤坂離宮 和風別館「游心亭」の広間と茶室を忠実に再現した空間となっています。カフェはドリンクのみのようです。

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こちらの土地は吉郎(父)の生家の跡地だそうです。九谷焼の窯元の家に生まれたそうですよ。生まれながらにしてセンスが磨かれる環境だったんでしょうね。この建物自体は息子の吉生氏が手掛けています。

地下の企画展は撮影禁止です。現在は吉郎(父)の経歴や作品をパネルや模型で展示しています。

展示・イベント | 谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館

吉郎(父)は有名なところでは「藤村記念堂」「東宮御所」「東京国立博物館東洋館」を手掛けています。

他には「ホテルオークラのロビー」を手掛けています。現在建て替え中で、今年9月再オープンするのですが、このロビーは再現されるそうですね。ロビーのインテリアデザインは息子の吉生氏が手掛けているそうです。細部まで再現してくれるだろうと思います。

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(建て替え前の2014年に撮影した写真です)

個人的にツボだったのはデビュー作の「東京工業大学水力実験室」です。バウハウスっぽくてめちゃめちゃ好きです!

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(企画展は撮影禁止なので、写真は以下のページより拝借しました)

www.japandesign.ne.jp

模型は一部当時のものもありましたが、すごーく精巧で萌えます。

地下は「企画展」ということなので、次回は息子の吉生氏にスポットを当てた展示となるんでしょうか?これからが楽しみです。

 

こちらが2Fの迎賓館赤坂離宮 和風別館「游心亭」の再現です。広間には入れませんよ。

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外の水盤がきれいです。

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天井が斜めで床と水盤の一体感が強調されています。お見事です。

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こちらは茶室です。

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美術展などで建築を扱うときはどうしても写真と模型ですが、実物を再現して展示するとはびっくりですね!!

最近、赤坂離宮に行ったばっかりなのですが、和室は予約制で見られなかったんですよね・・・いつか本物も見たい!

www.minimal1991.com

最後にさりげなく吉生(息子)の年表もありました。MoMAの新館を手掛けたすごい人なんですね!他にも私の大好きな豊田市美術館も設計しています。

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(写真は豊田市美術館公式HPより)


丸亀市猪熊弦一郎現代美術館も行ってみたいなあ。石川県内では加賀片山津温泉総湯や鈴木大拙館、最近の建物ではGINZA SIXなどを手掛けているようです。

もともと谷口親子のファンだったか?と言われるとそうではありませんでしたが、知らないうちに好きな建築がたくさんありました。他の有名建築家のように個性が強すぎないのも魅力かもしれませんね。

暑さが落ち着いたら親子共作の金沢市立玉川図書館や石川県繊維会館(現・金沢市西町教育研修館)に行ってみたいなあ。

 

casaの記事にいろいろ写真が載ってます。

casabrutus.com